
林 祐子

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圧迫骨折って聞いたことありますか?
圧迫骨折とは、骨が圧縮されて潰れるような形で折れる骨折のことを指します。これは特に脊椎(背骨)で頻繁に見られ、椎体が前後から圧縮されて楔形(くさびがた)になるのが特徴です。圧迫骨折は高齢者や骨粗しょう症の患者に多く見られますが、若年層でも適切な外力が加われば発生する可能性があります。圧迫骨折が発生すると、急激な背中の痛みや動作の制限が起こり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
圧迫骨折の原因とは
圧迫骨折の主な原因は、骨の脆弱化と外力の組み合わせです。以下に代表的な原因を詳しく説明します:
1. **骨粗しょう症**:骨の密度が低下し、骨が脆くなる病気です。骨粗しょう症の人は日常の軽微な動作や転倒でも圧迫骨折を起こすことがあります。特に女性は、閉経後にエストロゲンの減少によって骨密度が低下しやすく、骨粗しょう症を発症しやすいです。
2. **外傷**:交通事故やスポーツでの激しい衝撃、重いものの落下など、直接的な外力によって圧迫骨折が起こることがあります。特に高所からの転落や車の衝突などの重大な事故では、脊椎に大きな圧力がかかり、圧迫骨折が発生しやすくなります。
3. **腫瘍**:骨にできた腫瘍が骨を侵食し、脆弱化させることによって圧迫骨折を引き起こす場合があります。骨に転移するがんなどが代表的で、これにより骨の強度が低下し、日常の動作で簡単に圧迫骨折が起こることがあります。
4. **過剰な負荷**:例えば、重いものを持ち上げる動作が骨に過度の負担をかけることで、圧迫骨折を引き起こすことがあります。特に不適切な持ち方や姿勢で重い物を持つと、脊椎に異常な圧力がかかり、圧迫骨折のリスクが高まります。
意外と重いものを持った時になる可能性もある?!
圧迫骨折は特別な外傷を伴わないことも多く、日常の些細な動作でも発生する可能性があります。特に骨粗しょう症の方は、重いものを持つことで圧迫骨折を引き起こすリスクが高まります。
例えば、買い物袋を持ち上げる、子供を抱き上げる、家具を動かすといった動作が圧迫骨折の引き金となることがあります。また、急に重いものを持ち上げたり、不適切な姿勢で持ち上げたりすることでも、脊椎に過度の負担がかかり、圧迫骨折が生じる可能性があります。
圧迫骨折の症状
圧迫骨折の症状は、個人差がありますが、以下のような症状が見られます:
1. **急性の痛み**:圧迫骨折が起こると、突然の激しい痛みが背中や腰に現れることが多いです。
この痛みは動作や体位によって増強されることがあります。
2. **持続する痛み**:急性の痛みが軽減した後も、持続的な鈍い痛みが続くことがあります。
この痛みは、骨折部位が治癒するまで続くことがあります。
3. **姿勢の変化**:圧迫骨折によって背骨が変形し、姿勢が悪化することがあります。
特に背中が曲がる(円背)ことが多く、見た目にも変化が現れます。
4. **身長の低下**:椎体の圧縮によって背骨の長さが短くなるため、身長が低下することがあります。
これは、複数の椎体が圧迫骨折を起こすことで顕著になります。
5. **動作の制限**:痛みや姿勢の変化によって、日常的な動作が制限されることがあります。
例えば、前かがみになる、物を拾う、長時間座るといった動作が困難になることがあります。
そのままにしておくと
圧迫骨折を放置すると、様々な問題を引き起こす可能性があります。以下に代表的なリスクを挙げます:
1. **慢性的な痛み**:圧迫骨折の痛みは時間と共に緩和することもありますが、適切な治療を受けない場合、慢性的な痛みが続くことがあります。特に動作時の痛みや、安静時の鈍い痛みが長期間続くことが多いです。
2. **変形**:背骨が圧縮されることで、姿勢が変わり、背中が曲がる(円背)ことがあります。これにより、さらに他の脊椎に負担がかかり、連鎖的に他の圧迫骨折を引き起こす可能性もあります。姿勢の悪化は見た目にも影響し、心理的なストレスを引き起こすこともあります。
3. **呼吸器・消化器の問題**:背骨の変形により胸郭や腹腔が圧迫され、呼吸がしづらくなったり、消化器官に影響を与えたりすることがあります。これにより、呼吸困難や消化不良、便秘などの問題が生じることがあります。
4. **生活の質の低下**:圧迫骨折により動きが制限され、日常生活が困難になることで、全体的な生活の質が低下する可能性があります。例えば、買い物や掃除、料理などの日常的な家事が難しくなり、他人の助けを必要とすることが増えるかもしれません。
適切な病院を紹介する
圧迫骨折が疑われる場合、早急に医療機関を受診することが重要です。当接骨院では、圧迫骨折の疑いがある患者様には、専門的な診断と治療を提供する整形外科医や骨粗しょう症専門のクリニックを紹介しています。
以下の点に注意して、早期に適切な治療を受けましょう:
1. **画像診断**:X線検査、MRI、CTスキャンなどにより正確な診断を行います。
これにより、骨折の部位や程度を確認し、適切な治療計画を立てることができます。
2. **治療方針の決定**:骨粗しょう症の治療、鎮痛剤の使用、コルセットの装着、リハビリテーションなど、
個々の症例に応じた治療計画を立てます。
特に骨粗しょう症の治療では、薬物療法や栄養指導、運動療法が重要です。
3. **専門医の紹介**:必要に応じて、手術が必要な場合や高度な治療が求められる場合には、専門医への紹介を
行います。例えば、脊椎固定術や骨セメント注入療法(椎体形成術)などの外科的治療が
考慮されることがあります。
4. **リハビリテーション**:圧迫骨折の治癒過程では、適切なリハビリテーションが重要です。
筋力トレーニングや姿勢矯正、ストレッチングを行い、再発予防や機能回復を図ります。
まとめ
圧迫骨折は、特に骨粗しょう症を患っている高齢者に多い骨折ですが
、若年層や健康な人でも適切な外力が加わることで発生する可能性があります。日常の些細な動作でも圧迫骨折が起こることがあるため、重いものを持ち上げる際には注意が必要です。圧迫骨折を放置すると、慢性的な痛みや姿勢の変形、生活の質の低下などのリスクが高まります。早期に適切な治療を受けることで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。当接骨院では、圧迫骨折の疑いがある患者様には、専門的な診断と治療を提供する医療機関を紹介しております。圧迫骨折の疑いがある場合は、早急にご相談ください。また、日常生活での注意点や予防策についてもお気軽にご相談ください。私たちの目標は、皆様が健康で快適な生活を送ることをサポートすることです。