山城 宏統
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この記事では、股関節に発生するケガのグロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)について紹介していきます。
「鼠径部(股関節の付け根)に痛みがある」、「グロインペイン症候群がどのようなケガなのか?」という方は、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)とは何か?
はじめにこちらの項目では、グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)について紹介していきます。
股関節の周りが痛い、足の付け根に痛みがあるといったことを訴えることはありませんか?
ある程度安静にしていれば股関節の痛みは治まるけれど、運動を再開するとまた股関節の痛みが出てくるといった経験はないでしょうか?
それはグロインペイン症候群の可能性があるかもしれません。
グロインペイン症候群は鼠径部痛症候群ともいわれるもので、サッカーをしている人に多く発生します。
グロインペイン症候群は複数のケガの総称であります。
症候群とは、根本となる1つの原因から生じる一連の身体症状や精神症状のことをいいます。
グロインペイン症候群の原因と症状
グロインペイン症候群は10代~30代の、主にサッカーをやっている人に発生しやすい疾患です。
グロインペイン症候群は安静にしていれば股関節の痛みはないです。
しかし、運動をするとまた股関節の痛みが出ることが多いのがこのケガの特徴です。
グロインペイン症候群の初期症状としては、サッカーでボールを蹴ったときの股関節の痛みや全力で走ったときの股関節の痛みなど限定的な運動時の痛みが起こります。
グロインペイン症候群が悪化していくと、徐々に股関節に痛みが出る頻度が増えます。
そのため軽い運動でも股関節に痛みが出るようになります。
はじめは強くボールを蹴るときだけに股関節に痛みが出たものの、徐々に蹴る動作全てで股関節に痛みが出るようになった。
最初は全力で走るときだけに股関節に痛みが出たものの、徐々に歩いていても股関節に痛みが出るようになった。
このようにグロインペイン症候群の症状は悪化していきます。
グロインペイン症候群を発症しやすい3つタイプです。
- お尻の筋肉が硬い
股関節が開いた状態になることが多いので、お尻の筋肉を使いづらい状態になります。
ターンやキックの際に内転筋や恥骨部(ちこつぶ)にストレスがかかりやすくなり、痛みが出てくる。 - 腰痛を抱えている
ハムストリング(腿の裏側)やアキレス腱の硬さが原因で骨盤周囲の安定性が低下し、足の付け根にストレスがかかり痛みが出てくる。 - 過剰なトレーニング
若い年代に多くみられます。 腹筋やお尻の筋力強化などの特定の部位の過度な強化でも起こります。 ロングキックやシュートなど特定の動作での過度なトレーニングにより足の付け根にストレスがかかり痛みが出てくる。
その他の原因としては、もも、ふくらはぎの打撲や肉離れ、足首の捻挫などがあります。
これらのケガが原因で股関節の可動性、安定性、協調性に問題が生じたまま無理をしてプレーを続けると起こります。
体幹から股関節の周りの痛みや機能障害、グロインペイン症候群が起こりやすくなります。
また、片足で立ちながらキックをするサッカーの動作そのものも痛みが出る原因になります。
それがグロインペイン症候群の原因の1つです。
つまり、体幹から股関節の周りの拘縮(こうしゅく)や筋力の低下、不自然な身体の使い方が関係します。
ですので、股関節の可動性、安定性、協調性といった機能が低下し、痛みと機能障害の悪循環が起こります。
グロインペイン症候群の症状が慢性化してしまいます。
〇可動性:筋肉や関節の柔軟性
〇安定性:股関節、骨盤を支える筋力
〇協調性:体幹と下半身の動きがしっかり連動すること
グロインペイン症候群の治療法と予防法
グロインペイン症候群には決定的な治療法はありません。
股関節に痛みがあった場合は安静が一番です。
しかし、運動を再開するとまた股関節の痛みや同じ症状が出てくることもあります。
グロインペイン症候群は足の付け根の周りの痛みや筋力の低下を伴うものです。それを改善しない状態で再度ボールを蹴る動作を行うと、筋肉がその負荷に耐えられないため痛みやすくなります。
従って、グロインペイン症候群では電気治療、マッサージ、ストレッチだけでは不十分で、体幹の強化を行うリハビリが必要になってきます。
それも前述した股関節の可動性、安定性、協調性の問題点を評価します。
そのうえで修正していくことがグロインペイン症候群では必要になります。
グロインペイン症候群のリハビリの基本は以下のようなことです。
〇筋肉の拘縮に対するマッサージ
〇筋力低下に対する筋力訓練
〇痛みのある股関節だけに負担が集中しないように上半身、体幹、下半身を連動させる協調運動の訓練
グロインペイン症候群は、ケガの詳細はそれぞれなので治るまでの期間は一概には言えません。
数日間安静にしていれば治ることもあれば、1~3カ月くらいであることもあります。
グロインペイン症候群では中には1年以上治らない人もいます。
その競技を続けている間はグロインペイン症候群と向き合い続けている人もいます。
グロインペイン症候群の治療中の運動に関しては、痛みがあるうちは、ランニングはしない方がよいでしょう。
まずは痛みの出ないウォーキングや股関節に負担のかからない水泳などから運動を開始します。
股関節やその他の痛みと相談しながら徐々に運動の負荷を上げていけるのが理想です。
以下のことを予防点として心がけてください。
〇足首の捻挫などのケガをしたら、身体全体のバランスが崩れるので無理に運動を続けない。
〇股関節の周りの拘縮や筋力低下を生じたら早めに修正する。
〇運動前の準備体操に体幹から下半身を効果的に連動させる協調運動を取り入れ、股関節だけの動きを避ける
〇休んだ後に発症しやすいため、休んだ後には特に入念に協調運動や股関節の準備体操を行う。
まとめ
グロインペイン症候群の疑いがある場合はまずスポーツドクターの診察のもと、MRIやCTなどの精密検査を行いましょう。
明らかな問題がないか診断を仰ぐことが重要です。
筋肉の損傷や疲労骨折などの問題があれば、筋肉や骨の組織のダメージを改善する必要があります。
明らかな問題が見つからなかった場合はリハビリで改善する必要があります。
痛みの出ない範囲で無理な運動は避けましょう。
グロインペイン症候群がどのようなものなのかを知ってから治療やリハビリに専念していきましょう。
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