林 祐子
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肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)とは、俗に「五十肩」とも呼ばれる、肩関節の周囲に炎症が生じる疾患です。この炎症は、肩を動かすための筋肉や腱、靭帯、関節包などの軟部組織に発生し、肩の痛みや可動域の制限を引き起こします。
肩関節は人間の体の中で最も可動性が高い関節の一つですが、その分、ストレスがかかりやすく、炎症や痛みを起こしやすい部位でもあります。
肩関節周囲炎は一般的に40代から60代にかけて多く見られますが、年齢に関係なく発症することもあります。
発症すると、肩の痛みや動きに制限が生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。
本ブログでは、肩関節周囲炎の原因や症状、施術方法、予防策、さらには自宅でできるケア方法までを詳しく解説します。
肩関節周囲炎の原因は?
肩関節周囲炎の原因は、明確には特定されていませんが、いくつかの要因が関与しているとされています。
以下に、主な原因とされる要素を紹介します。
1. 加齢による肩の変性
加齢とともに肩の軟部組織が劣化し、柔軟性や弾力性が低下することで、炎症が起こりやすくなります。
40代以降に発症しやすい理由の一つとして、肩の組織が年齢とともに弱くなることが挙げられます。
2. 使い過ぎによる負荷
日常生活やスポーツ活動で肩を過剰に使用すると、肩関節周囲の組織が傷つき、炎症を引き起こすことがあります。特に、肩を頻繁に動かす職業や趣味を持つ人は、肩関節周囲炎のリスクが高まります。
3. 姿勢の悪さ
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、肩や首の姿勢が悪くなると、肩への負担が増加します。
これにより、肩関節の周囲にストレスがかかり、炎症が発生しやすくなります。
4. 外傷や肩の負傷
転倒や事故による肩の外傷、または肩を酷使する運動や作業によって肩関節周囲にダメージが加わり、その結果として炎症が発生することもあります。
5. 冷えによる血行不良
特に冬場など、体が冷えることで血行が悪くなると、肩関節周囲の組織に栄養や酸素が行き届かなくなり、炎症が起こりやすくなります。寒さは筋肉の硬直を引き起こし、肩の可動性が制限されることも原因の一つです。
肩関節周囲炎の症状は?
肩関節周囲炎は、症状が進行する段階に分けて、以下のような特徴があります。
1. 初期段階(急性期)
この段階では、肩に激しい痛みが生じます。特に夜間や安静時にも痛みが強まり、日常生活の中で肩を動かすことが困難になります。痛みは肩から上腕部にかけて広がることが多く、時にはじっとしていても疼くような痛みが感じられます。
2. 中期段階(拘縮期)
急性期の痛みが落ち着いてくると、肩の可動域が徐々に制限され始めます。肩を上げたり、後ろに回す動作が困難になり、洋服を着る、髪を洗う、物を持ち上げるといった日常の動作が難しくなります。この段階では、痛みよりも「動かせない」という不便さが強く現れます。
3. 回復期
拘縮期が過ぎると、少しずつ肩の可動域が回復し始めます。しかし、完全に元の状態に戻るまでには数か月から1年以上かかることもあります。回復期には、リハビリや適切な運動を行い、肩の動きを徐々に取り戻していくことが重要です。
肩関節周囲炎の施術方法は?
肩関節周囲炎の治療には、以下のような施術方法があります。当院でもこれらを組み合わせて、患者様の状態に応じた治療プランを提供しています。
1. 物理療法(温熱療法、冷却療法)
肩関節周囲炎の急性期には、炎症を抑えるために冷却療法を行います。冷却することで、血流を抑え、痛みや腫れを軽減させます。一方で、慢性期には温熱療法が有効です。
温めることで血行が促進され、筋肉や関節の柔軟性が向上します。
2. 関節の可動域訓練(リハビリテーション)
拘縮期や回復期には、関節の可動域を徐々に広げるためのリハビリが必要です。ストレッチや筋力トレーニングを取り入れ、肩の動きを回復させることが重要です。
当院では、無理のない範囲でのリハビリ指導を行い、患者様のペースに合わせた回復をサポートします。
3. 鍼灸やマッサージ
肩関節周囲炎の痛みやこりを緩和するために、鍼灸やマッサージも有効です。鍼灸治療では、ツボを刺激して血行を改善し、痛みを和らげる効果があります。マッサージでは、硬くなった筋肉をほぐし、肩の動きをスムーズにすることができます。
4. 姿勢矯正
肩関節周囲炎の根本的な原因である姿勢の悪さを改善することも重要です。当院では、日常生活での正しい姿勢や動作指導を行い、肩への負担を軽減するサポートを行っています。
肩関節周囲炎にならないための対策は?
肩関節周囲炎を予防するためには、日常生活での意識や習慣が重要です。以下の対策を実践することで、肩関節周囲炎のリスクを下げることができます。
1. 正しい姿勢を保つ
長時間同じ姿勢を続けることは肩に負担をかけます。デスクワークやスマートフォンを使用する際は、肩が前に出ないように意識し、背筋を伸ばした姿勢を保つことが大切です。
2. 適度な運動を心掛ける
肩周りの筋肉を適度に動かすことで、柔軟性を保ち、関節の可動域を維持できます。特に、肩を大きく回す運動や、肩甲骨を意識して動かすストレッチは、肩の健康を保つために効果的です。
3. 肩の冷えを防ぐ
冷えは血行不良を引き起こし、筋肉や関節の硬直を招くため、肩を冷やさないように注意しましょう。冬場には、肩を温めるための服装や、温熱パッドの使用が有効です。
4. 無理な動作や過度な負荷を避ける
肩に過度な負荷をかける運動や作業は、肩関節周囲炎のリスクを高めます。重いものを持ち上げる際や、反復的な動作を行う際には、無理をせず、適切な休息を取り入れることが大切です。
自宅でできるケアは?
肩関節周囲炎の予防や症状の改善には、自宅でのセルフケアも効果的です。以下に、簡単にできるケア方法を紹介します。
1. ストレッチ
肩を軽く動かし、可動域を維持するためのストレッチが有効です。肩を前後に回したり、腕を頭上に伸ばしたりすることで、肩周りの筋肉をほぐすことができます。
2. ホットパックで温める
肩の冷えやこりを感じたら、ホットパックや温湿布を使って肩を温めることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることができます。
3. フォームローラーを使う
フォームローラーやテニスボールを使って、肩甲骨周りの筋肉をほぐすことも効果的です。肩周りの筋肉が柔らかくなると、肩関節の動きがスムーズになります。
4.軽い運動をする
1キロぐらいのおもり(なければペットボトル)を持って振り子運動をすると効果的です。
少しでも動かすことによって肩周りの筋肉を動かしやすくします。
まとめ
肩関節周囲炎は、肩の痛みや可動域の制限を引き起こし、日常生活に大きな支障をきたす病気です。
しかし、早期に適切なケアを行うことで、症状の進行を抑え、回復を促すことが可能です。当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせた施術を提供し、肩関節周囲炎の改善をサポートしています。
また、日常生活での予防策や自宅でできるケアも取り入れることで、肩の健康を長く保つことができます。肩に違和感や痛みを感じたら、ぜひ当院までご相談ください。
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