林 祐子
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骨折というのは、日常生活に大きな影響を与える怪我のひとつです。
骨折が治癒するまでには骨を固定し、安静にする必要がありますが、その後に非常に重要なのが「リハビリ」です。今回は、骨折後に必要となるリハビリの重要性と、リハビリを怠ることのリスク、そしてリハビリをどこで行うべきかについてご説明します。また、近年注目されている加圧トレーニングを取り入れた運動療法の有効性についても触れていきます。
骨折中の固定とその解除後のリハビリの重要性
骨折後は、骨を安定させるためにギプスやシーネなどで固定を行います。
この固定期間中は、骨折部位が安定し、新たな骨が形成されるのを待ちますが、その間、関節や筋肉は使われずにいるため、筋力が低下し、関節の可動域も制限されてしまいます。
これは「廃用症候群」と呼ばれる状態で、固定を外した後に急に動かそうとしてもスムーズに動かないことが多いです。そのため、固定が外れた後は、すぐにリハビリを開始する必要があります。
リハビリを行うことで、筋肉や関節の機能を回復させ、元の生活に戻るための準備を進めていきます。
リハビリが遅れると、回復が遅くなるだけでなく、後遺症として関節の可動域が狭くなったり、筋力が完全に戻らないこともあります。
リハビリを怠るとどうなるか?
リハビリを怠ると、様々な問題が生じる可能性があります。
1. 関節の可動域制限
長期間の固定後は、関節が硬くなり、動かすことが難しくなります。
この状態を放置すると、関節の可動域が戻らず、元通りに動かせなくなるリスクが高まります。
特に、足首や膝、肘などは動かさない期間が長いと可動域が著しく減少し、日常生活に支障をきたすことがあります。
2. 筋力の低下
固定期間中は筋肉を使うことができないため、筋肉量が急激に減少します。
筋肉が弱くなると、体を支える力が不足し、他の部位に負担がかかりやすくなります。
これにより、再度の怪我や痛みを引き起こすリスクが増します。
例えば、足の骨折後に筋力が低下していると、歩行時に膝や腰に過度な負担がかかり、別の怪我を引き起こす可能性があります。
3. 神経系の影響
固定によって筋肉や関節が使われないと、神経系も影響を受けます。
脳と筋肉の間で情報が伝達される経路が弱くなり、スムーズに体を動かせなくなることがあります。
これを改善するためには、リハビリを通じて徐々に神経系の働きを取り戻す必要があります。
4. 姿勢やバランスの悪化
骨折後に適切なリハビリを行わないと、体のバランスや姿勢が崩れることがあります。
片足の骨折後に無意識に反対側の足に体重をかける癖がつくと、左右のバランスが悪くなり、腰痛や肩こりなどの新たな問題を引き起こすことがあります。
リハビリを行うメリット
リハビリには、以下のような多くのメリットがあります。
1. 筋力と関節の機能回復
リハビリを適切に行うことで、筋力が徐々に回復し、固定中に失われた関節の可動域も取り戻せます。
これにより、再び日常生活を支障なく送ることが可能になります。
リハビリの早期開始は、回復を促進し、長引く後遺症を防ぐことができます。
2. 痛みの軽減
リハビリによって、硬くなった筋肉や関節をほぐし、血行を促進することで、痛みが軽減されます。
また、体全体のバランスを整えることで、特定の部位にかかる負担を軽減し、痛みの再発を防ぐことが可能です。
3. 再発防止
骨折後のリハビリを行うことで、筋力や柔軟性が回復し、次の怪我を防ぐ体作りができます。
特に、高齢者の場合、骨折が再発しやすいため、リハビリを通じて筋力とバランス感覚を向上させることが、将来的な怪我の予防に繋がります。
4. 精神的な回復
骨折後のリハビリは、身体的な回復だけでなく、精神的な回復にも寄与します。
リハビリを進めることで、以前の生活に戻れるという実感が得られ、前向きな気持ちが生まれます。
リハビリを通じて自信を取り戻し、生活の質を向上させることができます。
リハビリは接骨院でも行える
リハビリは病院だけでなく、接骨院でも行うことが可能です。接骨院では、柔道整復師が個々の症状や状態に合わせたリハビリプログラムを提供しています。特に、柔道整復師は骨や関節、筋肉に関する専門知識を持っており、適切なリハビリを提供することができます。
接骨院では、以下のようなリハビリメニューを提供しています。
運動療法
固定が外れた後の筋力回復や関節の可動域を広げるために、軽いストレッチや運動を取り入れたリハビリを行います。運動療法は、患者様一人ひとりの状態に合わせて無理なく進められ、効果的に体を回復させます。
手技療法
筋肉の緊張を和らげるために、柔道整復師が手技を用いて筋肉や関節を柔らかくし、血行を促進させます。
これにより、痛みが軽減し、関節の動きがスムーズになります。
運動療法に加圧トレーニングも有効的
近年、リハビリに取り入れる方法として注目されているのが「加圧トレーニング」です。
加圧トレーニングは、専用のベルトを腕や脚に巻き、血流を制限しながら行うトレーニング方法です。この方法によって、軽い負荷でも筋肉に大きな刺激を与えることができ、リハビリとして非常に有効です。
加圧トレーニングのメリットは次の通りです。
低負荷で高効果
通常のトレーニングよりも軽い負荷で、短時間で筋肉に強い刺激を与えることができます。これにより、無理なく筋力を回復させることが可能です。骨折後のリハビリでは、無理をせずに筋力を取り戻すことが重要ですので、加圧トレーニングは非常に適しています。
代謝の向上
加圧トレーニングを行うことで、成長ホルモンの分泌が促進され、筋肉の修復が早まります。また、代謝が向上するため、リハビリを進めるうえでの全身の回復が期待できます。
短時間で効率的
忙しい方や、高齢者の方でも、短時間で効率的なトレーニングができるため、継続しやすいのも特徴です。
リハビリを進める上で、無理なく続けられることは非常に大切です。
まとめ
骨折後のリハビリは、固定を外した直後から始めることが非常に重要です。リハビリを怠ると、筋力や関節の可動域が回復せず、後遺症が残るリスクが高まります。一方で、適切なリハビリを行うことで、痛みの軽減、筋力の回復、そして日常生活への早期復帰が可能となります。
リハビリは、病院だけでなく、接骨院でも受けることができます。接骨院では、柔道整復師が個々の状態に合わせたリハビリプログラムを提供し、手技療法や運動療法を通じて効果的にサポートします。また、加圧トレーニングのような最新の運動療法も取り入れることで、より短期間での回復が期待できます。
接骨院でのリハビリを通じて、元気な体を取り戻し、怪我の再発を防ぎながら健康的な生活を送りましょう。
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