山城 宏統
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「外くるぶしが痛む?!」「足の内返し動作をすると関節などに痛みが出る?!」
もしかしたら、それは足根洞症候群かもしれない!
今回の記事では、足根洞症候群(そっこんどうしょうこうぐん)について紹介します。
足関節の捻挫をしてから時間がたつのに、足関節の痛みがひかないという方はいらっしゃいませんか?
もしかしたら足根洞症候群かもしれません。
今回はその、足根洞症候群について解説します。
足根洞症候群とは?
まず足根洞症候群に関係する体の部分、足根洞について説明します。
「足根洞(そっこんどう)」とは、外くるぶしの前方にあります。
足首の奥深くにある距骨(きょこつ)とかかとの骨である踵骨(しょうこつ)とによって囲まれた空間の事を指します。
中は洞窟の様な構造になっています。
足根洞の中には、大切な靭帯が多数あります。
また、足の後方の位置や姿勢を感知する感覚受容器があります。
歩く時に安定性を保つという重要な役割があります。
この足根洞が損傷や炎症を起こして腫れてきます。
足根洞内に面した部分が、足根洞内の神経や筋肉・血液・血管・腱(けん)・靭帯(じんたい)などの軟部組織を圧迫されます。
圧迫されることでしびれや痛みの症状が生じます。
このような症状を起こす障害のひとつに足根洞症候群があります。
足根洞症候群の症状と原因
2−1.足根洞症候群の症状
足根洞に炎症が起きると、下記の様な症状が現れます。
・足の内返し動作をすると関節などに痛みの症状が出る
・外くるぶしの前あたりを押すと痛い
・外くるぶしや足の甲がしびれる、だるい
・階段や坂道の下りで出現する痛みの症状がいつまでも続く
・凹凸のある場所で立っていたり、歩いていると足の関節などに痛みの症状が出る
・足関節付近に不安定感がある
・足関節の前外方が痛い
また、発症から相当期間が経ってまん性化したものもあります。
足関節の可動範囲が狭くなっていると感じることもあります。
2−2.足根洞症候群の原因
①足関節捻挫が原因の場合
足根洞症候群の多くは、足関節の内返しを主とした捻挫などによって起こります。
足根洞内の靭帯の損傷や周囲の関節や筋肉、腱、靭帯などの損傷が原因で痛みやしびれなどの症状が起こります。
捻挫をした後放置し、適切な治療が受けられなかった事で重度化したことによる、外傷後症候群と考えられています。
また、足根洞内の靭帯が損傷された場合に足根洞内で出血を起こします。
その血の固まりが洞内を満たして、踵骨(しょうこつ)と距骨(きょこつ)の間の滑らかな動きを妨ぎます。
骨膜炎や浮腫を起こし痛みの症状を生じます。
これらの足関節捻挫が原因の場合は、関節が柔軟な若年者には少ないです。
激しい運動を行う20~30代によく見られます。
②足関節捻挫以外が原因の場合
一方、上記以外に足関節の外傷原因はなく足根洞症候群の症状が発症することもあります。
・変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)を生じている高齢者
・O脚・内反足などの骨・関節の配列に異常がある方
・高いヒールの靴を履く習慣のある方
これらは、関節痛や筋肉痛などと診断されています。
関節や筋肉の痛みの症状が消え、また再発するといった消退と再発を繰り返します。
徐々に足根洞症候群の症状が悪化していく場合もあります。
足根洞症候群の治療法
足根洞症候群の治療方法は、基本的に理学療法などの保存療法です。
しかし病態により下記のような治療法を用います。
・整形外科による足根洞症候群の注射療法
注射療法は、局所麻酔剤とステロイド剤の混合液を打ちます。
週に1回の間隔で5~6回程度施行します。
この注射療法に並行して行います。
すねの外側から足首につながる筋肉「腓骨筋(ひこつきん)」の機能回復や足の関節、筋、腱の動きの感覚改善のためのリハビリを行います。
・足根洞症候群の底板などによる足の固定補助(足底板療法)
足根洞症候群により足の不安定性がある場合に、足関節の内返しを制限するテーピングや足底板などで足根洞部分へかかる負荷を軽減させます。
足底板は、靴に入れる治療用の中敷きの事です。
O脚・内反足などの骨や関節の配列の異常や、変形などに対して保護や矯正を目的に行われる保存治療方法の一つです。
足底板療法では、かかとの外側に「ヒールウエッジ」という足底板を装着し足の接地バランスを整えます。
また、浮き指などにより足の後方に重心が偏ったタイプ場合もあります。
足根洞症候群の場合はヒールウエッジに加えて足の横アーチを補正するパッドを追加して装着し、バランスを整えることもあります
・足根洞症候群のリハビリ療法
足根洞症候群の症状が落ちついてきたらリハビリを開始します。
足関節の可動域の改善や筋力トレーニング、バランス訓練といったリハビリを開始していきます。
・整形外科による足根洞症候群の手術療法
足根洞症候群は注射や固定装具、理学療法などの保存療法で足関節などの痛みやしびれの症状が改善されない。
あるいは一時的に症状が治まったとしても、足関節の痛みやしびれなど足根洞症候群の症状が再び悪化するなどを繰り返す。
そんな場合は手術療法を選択することがあります。
一般に手術は足根洞内の滑膜組織(かつまつそしき)と脂肪組織の一部を除去する郭清(かくせい)術が行われます。
まとめ
足根洞症候群は内返しなど足関節の捻挫をしてしばらく時間がたつのに、足関節や外くるぶしが痛い。
または、しびれるなどの症状が出た場合、まずは患部をしっかり観察すること大切です。
特に足の姿勢や歩き方の異常が見られる場合には、早めに整形外科の受診をして足根洞症候群の治療をすることをお勧めします。
また、足根洞症候群は内返しによる足関節捻挫は繰り返すことが多くいます。
運動時や階段の上り下り、凹凸のある道の歩行時などには十分に注意する事が必要です。
スポーツ選手が足根洞症候群になってしまった場合、本格的なスポーツ復帰には、走っている時に足関節などに痛みの症状が無い事です。
十分な関節の可動域と筋力の回復が必要です。
しっかりとリハビリを含めた治療を行うことができる専門家に見てもらいましょう。
足根洞症候群を治療することが大切でしょう。
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