山城 宏統
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この記事では、野球選手の中でも特に成長期の子供に発症が多いです。
そんな野球肘について詳しく紹介していきます。
野球肘の痛みが起きるメカニズムや、種類ごとの原因も分かりやすく解説します。
野球をしている方はぜひ参考にしてみて下さい。
すでに肘に痛みの症状が起きている方は、どの疾患に当てはまる可能性があるのか、自分の症状と照らし合わせて確認してみましょう。
野球肘とは?
はじめにこちらの項目では、野球肘とはどんな疾患なのかについて解説してきます。
野球をプレーしている方や、野球肘の疑いがある方はぜひこちらを参考にしてみて下さい。
1-1.野球肘とはどんな疾患?
野球肘とは、主に野球の投球が原因で発症した肘障害の症状を総括した名称です。
野球肘の種類は、肘の各所に痛みの症状が起きるものの3つに分類できます。
・肘の内側に痛みの症状が起きるもの
・肘の外側に痛みの症状が起きるもの
・肘の後ろに痛みの症状が起きるもの
野球肘の発症は大人よりも成長期の子供に多い傾向があります。
肘の関節付近が大人は成熟した骨である一方、子供は成長軟骨であることが発症率の高さに影響しています。
たくさんの種類がある野球肘ですが、発症するほとんどが肘の内側に痛みの症状が起きるものです。
上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)が代表的な疾患です。
1-2.野球肘の主な原因
野球をプレーするためには投球動作を必ず行います。
この投球動作が野球肘の発症と大きく関係しているのです。
ボールを投球するときには肘に大きな力が加わることになります。
それを繰り返すことで関節や腱などで炎症が生じてしまい、痛みなどの症状を引き起こします。
また、野球の経験が浅い場合、投球するフォームが悪いことが多くいます。
肘に負担を掛けやすい傾向にあります。
肘の内側に痛みの症状が起きる野球肘
野球肘の大半が肘の内側に痛みの症状が起きる種類で、上腕骨内側上顆炎をはじめに、内側側副靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)、円回内屈筋群の障害(えんかいないくっきんぐんのしょうがい)などがあります。
ちなみに、野球をプレーする子供の約20%が野球肘を発症すると言われております。
そのほとんどが上腕骨内側上顆炎です。
上腕骨内側上顆炎は、投球フォームが悪いことが原因となり発症します。
投球時に肘の内側に痛みの症状が生じます。
症状が初期であれば痛みはすぐに治まることが多くあります。
早期の治療を行うことで1~2か月ほどで完治が期待できます。
内側側副靭帯損傷は高校生以上に発症が多くあります。
投球時に内側の靭帯が引っ張られることが原因で損傷を起こします。
負担を掛け続けることで断裂を起こす場合もあるので注意が必要です。
症状としては、投球時に肘を曲げた際に痛みを感じるというものです。
症状が起きた場合は痛みを我慢せずに投球を中止して安静にするようにしましょう。
円回内屈筋群の障害とは、肘の筋肉である円回内屈筋群の一部が肉離れを起こすことで発症します。
肉離れは、繰り返される投球によって肘に疲労が蓄積することで起こります。
そして強い痛みの症状が生じることになります。
肘の外側に痛みの症状が起きる野球肘
野球肘で肘の外側に痛みの症状が起きる種類には、上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)、離脱性骨軟骨炎(りだつせいこつなんこつえん)などが挙げられます。
どちらの疾患も成長期の子供に多くみられ、共通して投球時に肘の外側に痛みの症状が起こります。
上腕骨外側上顆炎は、肘や肩に負担を掛け続けることで発症します。
投球の動作だけではなくバットを振る動作も原因となるのです。
過度な素振りなどは注意が必要です。
離脱性骨軟骨炎とは、肘の関節の中に軟骨が剥がれ落ちてしまうことで発症します。
痛み以外にも肘の動きが悪くなるなどの症状も起こります。
肘の後ろに痛みの症状が起きる野球肘
野球肘で肘の後ろに痛みの症状が起きる種類には、肘頭疲労骨折(ちゅうとうひろうこっせつ)、肘頭骨端線閉鎖不全(ちゅうとうこつたんせんへいさふぜん)、肘頭骨棘骨折(ちゅうとうこつきょくこっせつ)などが挙げられます。
肘頭骨とは肘の先端にある骨のことです。
この骨が原因で野球肘になると長期の治療が必要になることがほとんどです。
肘頭疲労骨折は、ボールを投球し肘が伸びきった状態のときです。
肘の後ろ側で骨同士が衝突することが原因で、衝突を繰り返すことで疲労骨折を起こしてしまいます。
肘頭骨棘骨折も同様に、骨同士が衝突を繰り返すことで骨にとげのような部分が成形されます。
この骨のとげが骨折することで発症します。
肘頭骨端線閉鎖不全とは、骨が成長する部分である骨端線が、投球による負担によって成長が妨げられることで発症します。
通常骨端線は中学から高校にかけて閉鎖(成長が終わる)するので、成長期に発症が考えられます。
野球肘の痛みを改善する2つの方法
最後にこちらの項目では、野球肘の痛みの症状を改善するための2つの方法を紹介します。
肘に痛みがある場合はこちらの方法を参考にして症状を改善します。
医療機関で検査を受けるようにしましょう。
5-1.野球肘の痛みを改善する方法①アイシング
野球肘の痛みの程度は症状の進行によってさまざまです。
我慢できる程度から全く肘を動かすことができなくなる程度の痛みまであります。
その痛みを改善する方法がアイシングです。
症状がみられる部分を冷やすことで炎症を防いだりします。
感覚を麻痺させたりする効果が得られます。
しかし、アイシングは応急処置になるので改善にはなりません。
ですので、医療機関で必ず検査を受けるようにしましょう。
5-2.野球肘の痛みを改善する方法②固定
野球肘を発症する原因はいずれも肘への負担となっていることからです。
症状を改善するためには安静にすることが大切です。
固定するときには、痛みを感じない状態で固定することが大切です。
そしてアイシングと同時に行うことがいいでしょう。
症状が軽度の場合は、サポーターを着用するなどの対策を行い症状の進行を防ぐことができます。
まとめ
今回は成長期の少年に発症が多い野球肘について紹介してきました。
ほとんどが肘の内側に痛みの症状が起きるものです。
野球をしている子供の約20%が発症することが分かりました。
野球を長くプレーするためには、肘に負担の少ない正しい投球フォームを身に付けましょう。
痛みが生じたときには必ず安静にすることが大切です。
野球肘を予防して、ケガすることなく野球を楽しみましょう。
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