今回の記事では、肩に突然激痛が起こり、寝るのも辛くなってしまう石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)について、みずほ台院の院長の井手が解説していきます。
突然肩に痛みが出てしまう原因と、痛み以外にはどんな症状がでてしまうのか?を詳しく書いていきます。
石灰沈着性腱板炎について、詳しく知りたい方は参考にして下さい。
どんな治療を行えば改善するか?も書いています。
目次
石灰沈着性腱板炎とは?
はじめにこちらの項目では、石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)とは、どんな疾患のことを言うのか?というところから掘り下げていきます。
突然肩に痛みがあらわれて、困っている方は是非とも読んでみてください。
1-1.石灰沈着性腱板炎とはどんな疾患?
石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板内部にリン酸カルシウムが結晶化して、溜まってしまう疾患のことを指します。
非常に強い痛みを感じる疾患で、夜も眠れない場合があります。
そのため、「石灰沈着性腱炎(せっかいちんちゃくせいけんえん)」、「石灰性腱炎(せっかいせいけんえん)」などと呼ばれることもあります。
腱板内部に沈着するリン酸カルシウムは、症状の進行によって形状が変化していく特徴です。
症状の初期は、このリン酸はとても柔らかいのですが、時間の経過と共に結晶化していき、この際に痛みを伴います。
この結晶化したリン酸カルシウムが肩への痛みの原因で、結晶が多いほど痛みが強くなっていきます。
1-2.石灰沈着性腱板炎の主な症状
冒頭からお伝えしている通り、突然の痛みがでるというのがこの石灰沈着性腱板炎の主な特徴です。
原因として、初期症状で気づくのが難しいのです。
突然の痛みを感じた瞬間に気づくので、症状が進んでいきます。
この痛みが出る時間帯が、夜であることが多いため、睡眠の妨げになってしまいます。
肩の痛みが主な症状ですが、肩の動きが悪くなってしまうのも症状の原因です。
石灰沈着性腱板炎は3つの型に分けることができ、時期の経過により、3段階にわけることができます。
1~4週間ほど肩に強い痛みを感じる「急性型」です。
1~6ヵ月ほど肩に痛みを感じる「亜急性型」です。
6ヵ月以上運動時などに肩に痛みを感じる「慢性型」があります。
進行と共に症状がかわります。
石灰沈着性腱板炎はどんな人に発症しやすい?
この段落では、どんな人が石灰沈着性腱板炎になりやすいのかを書いていきます。
これを書く理由としては、初期症状に気づいてほしいからです。
肩を痛めてる人の一つの気づきになればと思います。
2-1.石灰沈着性腱板炎はどんな人に発症しやすい?
石灰沈着性腱板炎は女性が約70%と、圧倒的に女性の方が多い傾向にあります。
男性は少ないとはいえ、ならないわけではありません。
また、発症時の年齢としては40~50代が最も多く、いわゆる中年の世代が圧倒的です。
しかしながら20代~80代まで、幅広く発症する可能性があります。
発症する原因に関しては、現在でも明確になっておらず、そのため肩への痛みが生じることで気づくことが多いのです。
当院にあります、エコーではこの石灰をとらえることができます。
まとめると、石灰沈着性腱板炎は40~50代の女性に発症するリスクが高くあります。
肩の痛みを感じている場合は、自己判断をせずにしっかりと検査をしてもらいましょう。
ご自身で肩に負担がかかっておらず、ぶつけたり衝撃が加わったなどが無い場合は、この石灰沈着性腱板炎である可能性が出てきます。
石灰沈着性腱板炎は予防できる?
石灰沈着性腱板炎は、突然肩に痛みを感じるまで気付くことが難しいと説明してきました。
予防する方法を知りたいという方の為に、しっかりと解説していきます。
なってしまうと激痛で日常生活にも支障が出ますのでしっかりと予防していきましょう。
3-1.石灰沈着性腱板炎は予防できる?
石灰沈着性腱板炎を予防するには、原因であるカルシウムを発生させないことが大切です。
カルシウムは基本的には食事でとるのが普通ですが、体内でカルシウムが不足することで、自分の骨を溶かして補填しようとする働きが起こってしまいます。
余分に余ったカルシウムは、血液中に保存することができずに、身体の中で貯蔵されてしまい、肩にたまりやすく症状が発症してしまいます。
この沈着が肩の腱板内部で発生することで、石灰沈着性腱板炎になるわけです。
とういうことは、カルシウム不足からくるものなので、そこの見直しこそが予防になるわけですね。
石灰化することを防ぐ生活を心掛けていけばいいのです。
日常生活の注意点として、酸性体質になりがちの人は特に気を付けてほしいです。
酸性体質を改善するには
「夜遅くの食事を避ける」
「適度に運動をする」
「海藻や野菜などのアルカリ性食品を食べる」
などがあります。
どれもさほど難しくありませんよね。
カルシウムの摂取は小魚や豆類などの良質で骨まで届きやすいものを摂取しましょう。
石灰沈着性腱板炎の治療方法
最後にこちらの項目では、石灰沈着性腱板炎の治療方法を肩に強い痛みを感じる急性期と、肩の痛みが落ち着き始めた回復期に分けて解説します。
石灰沈着性腱板炎の疑いがある方は、どんな治療を受けるのか確認しておきましょう。
事前に知っておくことで、痛みが出た時に、スムーズに治療を受けに行くことができますよね。
4-1.急性期の治療方法
肩に痛みを感じている急性期では、まず痛みを改善することを第一に治療を行っていきます。
この段階で、まだ完全な石灰になっていなければ、病院にて注射をしてもらうことができますよ。
肩の痛みが治まるまでは患部を安静にするのが効果的で、運動や入浴に制限を掛けて肩の痛みが治まるのを待つのです。
また、肩への痛みがひどい場合には、抗炎症薬を服用したり、注射したりして痛みを和らげます。
当院においても疼痛を緩和する電気などをして、少しでも痛みを和らげて生活がしやすいようにします。
4-2.回復期の治療方法
肩の痛みが治まってこれば石灰沈着性腱板炎は回復期となります。
この回復期には、肩を動かす運動療法が大切です。
痛くて動かせなくなって、肩の動きが悪くなってしまったものを、元に戻すことをしなくてはなりません。
それと同時に、肩を温める治療を行い、血流を良くして痛みを緩和し肩を動かしやすくします。
まとめ
今回は、突然肩に強い痛みがでてしまう、石灰沈着性腱板炎について書かせていただきました。
この記事が、少しでも肩の痛みに悩んでいる方に届くと嬉しいです。
痛みがでるまで早期発見は難しいですが、事前に生活習慣を改めることで、予防をすることができます。
特に、40~50代の女性は発症するリスクが高いのできをつけてくださいね。
また、肩に違和感がある方は、なるべく早く検査を行って早期発見を心がけて下さい。
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井手 恒太

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