山城 宏統
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爪先を上にあげて足首をそらすと、かかとの上周辺が痛い方はいらっしゃいませんか?
そのような場合に多いのが、アキレス腱炎(あきれすけんしょう)です。
この記事ではアキレス腱炎はどんな原因で起こるのか、そして治療やリハビリについて解説します。
アキレス腱炎の概要
はじめにこの項目ではアキレス腱炎の概要や原因、症状について説明します。
1-1.アキレス腱炎とは?
アキレス腱炎とはふくらはぎの筋肉と踵骨(かかとの骨)を結ぶアキレス腱に炎症を起こした状態です。
筋肉が収縮することで関節が動きます。
この収縮の力を骨に伝えるのが腱の役割なので、ここに炎症を起こすと一連の連動がうまくいかなくなります。
ですので、治療やリハビリが必要となります。
アキレス腱炎は3種類あります。
①アキレス腱炎
②アキレス腱周囲炎
③アキレス腱滑液包炎
です。
アキレス腱炎はその名の通り、アキレス腱そのものの炎症です。
次にアキレス腱周囲炎ですが、アキレス腱を覆っているパラテノンという膜の炎症です。
最後にアキレス腱滑液包炎は、アキレス腱が踵骨に付着している部分にある滑液包という袋のような組織が炎症を起こした状態を言います。
このようにアキレス腱炎は3種類ありますが個別の診断は難しく、また混同して症状を起こすことが多いのです。
アキレス腱炎が疑われる場合は、早期に治療やリハビリを開始するためにも早めに受診しましょう。
1-2.アキレス腱炎の原因
アキレス腱炎の原因は4種類あります。
①アキレス腱のオーバーユース
②下腿三頭筋が硬い
③踵骨の傾き
④加齢
です。
1つめはアキレス腱に繰り返し負荷がかかることでアキレス腱炎が発症するものです。
2つめは下腿三頭筋が硬いとアキレス腱に過度な負荷がかかりアキレス腱炎を発症します。
3つめは踵骨に傾きがあると、強くアキレス腱が引っ張られるためアキレス腱炎になりやすいです。
踵骨の傾きは2種類あり、内側に傾いているのを回内足、外側に傾いているのを回外足と言います。
回内足の方がアキレス腱炎の発症率は高いと言えます。
4つめは年齢が高くなると、腱の張力が低下したり、柔軟性が失われたりすることからアキレス腱炎を発症するものです。
これらの原因に心当たりのある方は、早めに治療やリハビリに取りかかるためにも受診を検討してください。
1-3.アキレス腱炎の症状
アキレス腱炎の症状は主に、アキレス腱周辺の腫れ、熱感、痛みなどです。
症状が進行すると安静にしていても痛みを感じたり、歩行に支障を生じたりします。
アキレス腱炎の診断から治療まで
アキレス腱炎の概要から症状を見ると、早めに受診して治療やリハビリを開始した方が良いということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
次にこの項目では、アキレス腱炎の診断や治療法について解説します。
2-1.アキレス腱炎の検査と診断について
アキレス腱炎を診断する場合、最初にアキレス腱の腫れやしこり、足関節の可動域の低下などが診察によって確認されます。
診察でアキレス腱炎が疑われる場合、アキレス腱周囲のレントゲン検査、MRI検査などを行います。
検査を行った上で診断して治療やリハビリが開始されるのです。
2-2.アキレス腱炎の治療について
アキレス腱炎の治療法として保存療法と手術療法があります。
治療の1つ、保存療法には3種類の治療法があるのでご紹介しましょう。
治療法① 患部の安静を保つ治療法
治療法② 湿布等での冷却や、消炎鎮痛剤の内服で患部の炎症を抑える治療法
治療法③ テーピングやサポーターを使用する治療法
①は日常的に行う運動を休止し、アキレス腱への負荷を下げる治療法です。
②はアキレス腱炎による炎症が重度な場合、炎症を少しでも早く抑えるために取られる治療法です。
③はアキレス腱への負荷を軽減するために行う治療法です。
テーピングでの治療は伸縮性のキネシオロジーテープと非伸縮性のホワイトテープを使って行います。
またサポーターでの固定はアキレス腱専用のものを用いて治療します。
保存療法の治療効果は普段の生活でかかるアキレス腱への負担の度合いによって異なります。
早い方では2週間ほどで治療期間は終わりますが、長い方だと1か月ほどかかります。
保存療法で症状が軽快しない場合や再発を繰り返す場合、治療法が手術療法に変わります。
アキレス腱周囲の瘢痕化した組織を取り出し、癒着したアキレス腱を剥離するという治療法です。
医師と良く相談の上、治療方針を決めるようにしましょう。
アキレス腱炎のリハビリについて
アキレス腱炎の場合、症状が落ち着くとリハビリが推奨されます。
治療効果の高いリハビリ法を4つご紹介します。
リハビリ方法その① マッサージのリハビリ
リハビリ方法その② 電気治療器を使ったリハビリ
リハビリ方法その③ 筋トレのリハビリ
リハビリ方法その④ インソールを使用したリハビリ
です。
①のマッサージはリハビリそのものというよりリハビリ前後に血行を促進するために行ってほしい手順です。
マッサージを行ってからリハビリを行うことで、よりリハビリの効果を高めるという意味があります。
②の電気治療器は通電することで自然治癒力を高めるというリハビリです。
アキレス腱炎を起こす状態では筋肉の疲労が蓄積していきます。
それを柔らかくして活性化すれば血行が良くなり老廃物も排出されます。
その結果神経が調節されて痛みがなくなるという仕組みのリハビリと言えます。
③は回内足の改善や股関節の強化のために行うリハビリです。
アキレス腱炎になりやすい状態を改善してくれるリハビリとも言えます。
少しずつでも根気よく続けましょう。
④は回内足の改善のために行うリハビリです。
いずれのリハビリも理学療法士の先生の指示のもと、適切な負荷で行いましょう。
まとめ
アキレス腱炎は継続的なアキレス腱への負荷によって生じます。
治療法としては保存療法を行いながらリハビリで軽快化させてゆくという流れがおわかりいただけたのではないでしょうか。
アキレス腱炎は生活の中でのアキレス腱への負荷をいかに減らすかというのが治療のカギです。
医師の指示、またリハビリの段階に入ったら理学療法士の先生の指示をよく守るように心がけてください。
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