山城 宏統
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今や国民病と言われる腰痛。
男女比でも腰痛は上位にランクインし、子供からお年寄りまで幅広く悩まされています。
最近では、スマホやパソコンの普及により、普段から姿勢が悪くなっている事が多いのが原因の1つです。
なぜ、姿勢が悪くなるのか?
人間の体は、首(頚椎)、胸(胸椎)、腰(腰椎)、お尻(仙骨)尻尾(尾骨)といくつかのパーツに分かれていて、全体的にゆるやかな「S字」を描いています。
胸椎(胸の背骨)というのは姿勢が普通〜良い人も、この部分に自然な湾曲があるのですが、猫背の人はこの部分のカーブがキツイため、胸椎のみ前向きに倒れ、S字を描くかたちで全体のバランスを保っています。脊柱は骨の形状から前に倒れやすく、後ろに倒れにくいという特徴を持ちます。
脊柱のうち胸椎のみは初めから前に倒れており、前に倒れている状態が強めに出ている姿勢が猫背です。
無理にバランスを取ろうとすると、背中が丸まって肩と頭が前に出てしまい、理想の「S字」から「C字」になってしまっています。
頭が前に落ちてしまう事によって、背中全体もゆるいC字カーブを描いています。スマホを使用している時も、顔が下を向いている状態だと思います。電車の中で周囲を見回すと、ほとんどの人がこの姿勢を取っています。
ヒールの高い靴を履いている女性などは、腹筋が弱くお腹が前に出てしまい、反り腰になっています。この背中の逆カーブのバランスを取るために、胸椎と首が前に傾いてしまいます。
背中の曲がった老人は、背中全体が大きく前に曲がって大きなC字を描いています。重心が後方へと移り、加齢に伴う筋力の低下が引き金となって前向きにどんどん倒れていきます。その状態で骨盤を後ろに倒してバランスを取り、脊柱全体が固まっている状態になりますこのカーブに合わせて体が丸まってしまいます。
悪い姿勢のリスク
バランス能力の低下
猫背の多くの方は、バランスを保つ能力が低下します。
猫背になると体幹上半身の重心が変化し、そのバランスを取るために頭部が前方へ突出する姿勢制御をすることが多くなります。この姿勢でバランスを取るためには、下半身にも常に緊張が入るようになってしまうのです。
全身の筋肉が本来の力を発揮できなくなり、筋肉が弱ってしまいます。筋肉が弱くなると姿勢を保持する力も弱くなり、結果としてバランス能力も低下していくと考えられています。
呼吸が難しくなり、筋肉の働きが悪くなる事もあります。
猫背になると、胸や肋骨が丸くなった状態で固まってしまいます。背骨を反らす機能が弱くなると、酸素を十分に取り込めなくなります。結果、呼吸が難しくなり、息苦しくなりやすい状態になります。
酸素は筋肉を動かすために必要不可欠なもので、車で言えばガソリンに当たります。ガソリンがない車が動かないように、呼吸が難しく体の中の酸素が少なくなれば筋肉の働きも悪くなってしまいます。
圧迫骨折のリスク増加にもなり、猫背になると背骨が前に倒れる状態となります。背骨が丸くなり続けると重みに耐えきれなくなり、背骨が潰れてしまいます。歩くだけでなく、最悪前かがみになるだけで背骨が潰れてしまい、圧迫骨折につながりやすくなります。
誤嚥(ごえん)リスクの増大になり、猫背になると、人は自然とあごが上がります。食べ物が通る食道と、空気が通る気管が喉にあり、普段は食べ物が気道に入らないようにコントロールしています。しかし、あごが上がると気道が広がり、誤って気道に食べ物が転がり込んでしまいやすくなります。
猫背姿勢は、頭の位置が前に出て、腰や背中が丸くなるのが特徴。骨盤が後傾するため、腰椎の自然なカーブが崩れ、腰回りにかかる負担が増えてしまいます。
さらに長時間、同じ姿勢でいると、血流も悪化。筋肉に必要な酸素と栄養素が行き渡らなくなり、筋肉はどんどん硬くなります。すると、脳はヒスタミンやブラジキニンといった痛みのもととなる物質を分泌し、「痛み」が現れるのです。
デスクワークの時間が長い人は同じ姿勢をとり続けるため、どうしても体の一部の筋肉に負担がかかり、楽に感じる「猫背姿勢」をとってしまいます。
なぜ、腰痛になるのか?
人は自然に立っている、座っている状態でも無意識に腰回りの筋肉を使っています。正しい姿勢を取り、骨格で身体を支えることができていれば、無駄なエネルギーを消費しないため筋肉は疲れにくい状態を保ちます。
しかし、猫背姿勢をとり続けた場合は、筋力で体を支えることになってしまいます。背中、腰回りの筋肉は疲労してしまい、その繰り返しが筋肉を弱らせ、腰痛を引き起こす原因となります。
猫背改善方法
猫背改善のストレッチとして、
①
1.バスタオルを2~3枚重ねたうえで筒状に丸めたものを用意してください。
2.丸めたバスタオルを肩甲骨の下敷きにする形で仰向けに寝転びます。その体勢から腕を伸ばし、両手を頭上に掲げましょう。この体勢を1分程度継続してください。
➁
1.体と椅子の間にクッションや座布団などを挟んで浅く座る
2.両足を肩幅くらいに開き、両手は太ももの上に置く
3.背中を反らせて両腕をハの字に広げる
4.首、胸、お腹が伸びていることを確認して、10秒程度キープし、2~3セット繰り返す
腰が反らないようにすることがポイントです。
③
1.タオルを持って肩幅くらいに足を開いて立つ
2.体の後ろで両手を使ってタオルの端を持つ
3.胸を反らせてタオルを持った両手を上げていく
3で頭もうしろに傾けて、10秒程度キープし、元に戻る
普段の座り方
背もたれが直角であることが重要です。後方に傾いている場合には、背もたれの前に板を置き、その間にタオルなどの詰め物をして、板が倒れないよう固定してください。椅子の高さは、足の裏を床にしっかり着けて、足首と膝が90度になるように調整します。高すぎるときは、古雑誌などをガムテープで固めた足置きをつくって調整してください。
イスには深く腰掛けし、操り人形のように、吊るされているイメージで座る事を心がけてください。
背もたれにお尻がつくまで深く座る
骨盤を立てる
背筋を伸ばす
まとめ
姿勢が良い状態というのは体全体の歪みがなく、効率よく筋肉が使えている状態なので体が軽く感じます。猫背特有の前かがみの姿勢をしないため、胃腸への負担も減り、消化吸収が良くなって健康的になる方も多くいます。
ご自身で猫背を治すのは少し大変だと思う方は、当院の猫背矯正を受けてみてください。
いつでも、ご相談してください。お待ちしております。
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