痛みの原因が特定できる腰痛「特異性腰痛」とは何か。整体師が解説します。

日本の成人の90%が、なんらかの機会に経験しているという腰痛。

実は、腰痛とは病気の名前ではなく、腰からくる痛みや張りなどの不快に感じる症状の総称です。

このうち、画像診断や血液検査などで痛みの原因が特定できるものを「特異性腰痛」、原因がはっきりしないものを「非特異性腰痛」といいます。

特異性腰痛とはどのようなものなのか、またどのような原因が考えられるのかを解説していきます。

腰痛のうち原因が特定できるのは約15%

直立二足歩行をする人間は、からだを垂直に保ち、重い上半身を下半身で支える必要があります。

そのため、どうしても腰に大きな負担がかかってしまいます。

つまり、腰痛は直立二足歩行を行う人間の宿命のようなものです。

とはいえ、すべての人が腰痛に苦しんでいるのかといえば、決してそうではありません。

腰痛になりやすいかどうかは、生活環境や生活習慣、ストレスなどが大きく関与しています。

特異性腰痛とは、画像検査による診断や診察で原因が特定できる腰痛です。

腰痛の原因はさまざまで、原因を特定できるのはわずか15%程度といわれています。

残りの約85%は、検査をしても痛みの原因となる異常が見つからない非特異性腰痛です。

突然腰に激痛が走るいわゆる「ぎっくり腰」も原因の特定が難しく、非特異性腰痛に該当します。

特異性腰痛の原因となる病気

特異性腰痛の原因となる病気には、以下のようなものがあります。

①腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア

背骨と背骨の間にある椎間板が潰されて、内部にあるゼラチン状の髄核(ずいかく)が後方に押し出され、神経を圧迫するために痛みが起こる病気です。

高齢者よりも、20代から40代の働き盛りの男性に多くみられます。

原因が特定できる腰痛の中で、比較的多い疾患が腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアです。

腰椎椎間板ヘルニアってどんな病気?

脊椎は、椎骨と呼ばれる骨が連結してできています。

腰椎とは、脊椎の下のほうにあり、5個の椎体で構成された部分です。

椎体と椎体の間には椎間板があります。

椎間板は、水分をたくさん含んだゼリー状の髄核(ずいかく)と、それを取り囲む線維輪(せんいりん)と呼ばれる軟骨組織の二重構造になっており、腰椎に加わる圧力を分散させ、衝撃を和らげるクッションのような役割を果たしています。

しかし、加齢などによって髄核を取り巻く線維輪が弾力を失うと、小さな亀裂が入って、髄核の一部が外に飛び出します。

この押し出された髄核が神経を圧迫するため、腰に痛みが生じるのです。

この状態を放置していると、髄核がどんどん押し出されて、痛みやしびれがだんだん強くなっていきます。
腰椎椎間板ヘルニアは、高齢者よりも20代から40代にかけての比較的若い男性に多い病気です。

前かがみや中腰の姿勢を長時間続けたり、重たいものを急に持ち上げたりしたときなどに発症する危険性があります。

腰椎椎間板ヘルニアの症状

腰椎椎間板ヘルニアの症状には、急性型と慢性型があります。

急性型は、重たい荷物を急に持ち上げたときや、くしゃみをしたときに起こるものです。

痛みが激しく歩くこともできなくなる場合もありますが、次第に症状は軽くなります。

しかし、そのまま放っておくと、さらに椎間板から髄核が押し出されて、神経を圧迫してしまうため、慢性的な痛みへと移行します。

どちらのタイプも腰の痛みのほかに、左右どちらかの太ももから膝、足にかけて激しい痛みが起こる坐骨神経症を伴うケースが多いようです。

腰椎は5個の椎体と5個の椎間板で構成されています。

そのうち、ヘルニアを起こしやすいのは、第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板と、第5腰椎と仙骨の間にある腰椎です。

前者のヘルニアでは、ふくらはぎの外側から足の親指にかけて、後者では膝の後ろ側から足の裏側にかけて、痛みやしびれが起こります。

腰椎椎間板ヘルニアの場合、背中を伸ばしているときや、寝ているときは痛みが楽になります。

反対に、背中を丸めたり、前かがみになったりすると神経が圧迫されて痛みやしびれが強くなるのが特徴です。

②腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

脊椎は、椎骨と呼ばれる骨が連結してできています。

加齢などに伴って、椎骨にある脊柱管と呼ばれる神経の通り道が狭くなると、中を通っている神経が圧迫されて、腰痛やお尻や足のしびれなどが起こります。

一般的に、40歳以上の人に多い症状です。

③骨粗しょう症

加齢によりカルシウムが流出して骨密度が減り、骨折しやすくなる病気です。

腰椎が圧迫骨折を起こすと、腰や背中が痛くなります。

骨粗しょう症は、中年以降の女性に多いのが特徴です。

原因のひとつとして、骨がカルシウムを吸着するときに必要なエストロゲン(女性ホルモンの一種)の分泌量が、閉経とともに急激に減少することが挙げられます。

④脊椎分離症・脊椎すべり症

脊椎の関節にある骨が切れて、分離した状態です。

一方、脊椎分離症とは、脊椎の一部が前後にずれている状態をいいます。分離症を伴う分離すべり症と、分離を伴わない変性分離症の2タイプがあります。

脊椎すべり症

骨折した椎骨がさらに前方にずれるのが、脊椎すべり症の特徴。

脊椎分離症

脊椎の上下関節突起間部が骨折し、分離してしまう。

まとめ

腰痛にはさまざまな原因があり、上記のように思わぬ病気がひそんでいる可能性もあります。

疲れが溜まっているだけかもと見過ごさず、医療機関を受診してみるのも大切です。

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加藤 敏行

加藤 敏行

柔道整復師。 中学生の頃、野球をしていてケガをして治してもらったことがきっかけで柔道整復師を目指しました。 整骨院と整形外科合わせて6年間、様々な方の肩の痛み、腰の痛みなどを施術してきました。 自分が経験したスポーツでのケガを治すのはもちろん、日常生活での痛みを取るためにお話を聞き、痛みの原因を見つけて、根本的に治していける治療を目指しています。
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