山城 宏統
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この記事では、若いときにスポーツをする人たちに多く見られる足の痛みが生じる有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)についてご説明いたします。
また、有痛性外脛骨への対処方法を説明していきます。
有痛性外脛骨とは聞きなれないかもしれません。
約15%の人の足に存在する外脛骨に痛みが生じる病気です。
余剰骨の中でも最も多くみられるのが外脛骨です。
有痛性外脛骨をよく知り、足の痛みを悪化させない方法をご紹介します。
有痛性外脛骨の原因と発症
1)有痛性外脛骨の原因
有痛性外脛骨とは、足を構成する骨の一つである舟状骨の内側に位置する余分な骨である外脛骨の痛みのことを指します。
足首を内側に返すように働く後脛骨筋(こうけいこつきん)が付着しております。
スポーツによる使いすぎや靴による足の圧迫、足の捻挫などの外傷が引き金となり痛みなどが出現します。
外脛骨は約15%の人の足に存在すると言われています。
その中の80~90%の方は両足に見られる両側性です。
思春期の運動量の多くなる時期の特に女性に多く発症するとされています。
有痛性外脛骨の原因はスポーツによるものが多くみられます。
偏平足の人や体重が足の内側にかかりやすい人に有痛性外脛骨が多くみられます。
足に外脛骨があるからといって必ずしも有痛性外脛骨になるわけではありません。
2)有痛性外脛骨の発症
有痛性外脛骨は靴による足への圧迫や足の捻挫を契機に発症することがあります。
外脛骨と舟状骨との間の結合部が損傷されます。
わずかに動くことにより痛みが生じます。
スポーツ活動中や活動のあとに、足の中央の内側に痛みを自覚します。
まれに足に腫れや赤みを伴うこともあります。
本来は必要ない余分な骨であるため、骨の大きさだけ隆起します。
押すと足の痛みを伴います。
激しい足の痛みではありませんが、その痛みはスポーツ活動に支障を来します。
骨の成長が止まる頃には足の痛みが治まることが多いのです。
成人にも痛みが発症することがあります。
捻挫を併発していることもありこの時の足の痛みは激しいものとなることもあります。
3)有痛性外脛骨の発症傾向
骨が最も成長する小学校高学年から中学生がもっとも足の痛みが発症しやすい傾向があります。
ダッシュやジャンプなど激しい足への負担が原因となることが多いです。
サッカーやバスケットボールの選手など足を激しく使うスポーツに有痛性外脛骨が多く見られます。
有痛性外脛骨の診断
1)有痛性外脛骨の診断
足関節捻挫など一般には外くるぶしの周囲が腫れて痛みが生じることが多いのです。
内側に痛みが生じることがあります。
足の内側の骨が隆起して痛みを生じる、靴にあたって痛みを感じる。
このような痛みは足の関節捻挫ではなく、有痛性外脛骨の可能性があります。
有痛性外脛骨は視診・触診を行い、そのうえでレントゲンなど画像診断を行います。
また骨やじん帯の状態を確認するために、超音波やMRI検査を追加することもあります。
有痛性外脛骨は、内側に隆起が出るため、同部に足の痛みを伴うことから診断は容易です。
2)有痛性外脛骨の種類
有痛性外脛骨は画像診断により、3つに分類されます。
①.骨が小さく舟状骨から分離し、後脛骨筋腱の中に含まれる。
②.大きく舟状骨粗面と線維性または、線維軟骨性に結合して後脛骨筋腱の付着部の一部となる。
③.舟状骨と骨性癒合して外脛骨は突起状となる。
この中で一番足の痛みが発生しやすいのが②です。
②の有痛性外脛骨は比較的大きな外脛骨が舟状骨と薄い線維軟骨で結合しています。
捻挫などの外傷により同部に亀裂が生じやすいからではないかと考えられます。
有痛性外脛骨の治療法
・ほぞん治療
有痛性外脛骨を治す上でまず大切なことはスポーツを休むことです。
競技を休む数週間で足の痛みがなくなることもあります。
また安静にして、鎮痛剤、温熱療法などの保存療法でも足の痛みがなくなることがあります。
足の痛みが長引くケースや繰り返し足の痛みが発生するような場合は足にギプス固定を行います。
足底板(アーチサポート)を装着させる方法もあります。
足底板を敷くことで土踏まずが持ち上げられ、外脛骨への刺激が緩和されます。
ほとんどの場合はこのような保存療法で有痛性外脛骨は1~3カ月で症状が改善します。
症状改善後は競技に戻ることも可能です。
ごく一部のケースで手術療法が必要となることがあります。
・手術治療
長期間足の痛みが取れない、足の痛みの再発を繰り返すなどの場合には手術を行うこともあります。
有痛性外脛骨の原因となる外脛骨を手術で取り除く方法です。
手術後数週間足をギプスで固定します。
リハビリ・ストレッチをしながら数カ月で回復を目指します。
有痛性外脛骨の手術療法の場合においてもスポーツの復帰は可能です。
有痛性外脛骨の再発防止
有痛性外脛骨の再発防止のためにはストレッチ・ひざ下の足の筋力の強化、足へのアイシングなども有効です。
足に合った靴選び、足底板の活用も有痛性外脛骨の再発防止のために大切になってきます。
まとめ
有痛性外脛骨は骨の成長が止まるとともに症状が改善する病気ではあります。
重症者においては痛みが強く歩けなくなることもあります。
スポーツに支障をきたさなくとも足の内側に隆起があります。
押すと痛みがある時は有痛性外脛骨の可能性があります。
痛みが弱いと放って置いてしまいます。
しかし、痛みが弱いうちからの治療が有効です。
競技をされている方は特に早期治療が大切になってきます。
早期の競技復帰のために、早めの専門家受診が必要だと考えられます。
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