山城 宏統
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この記事では、激しい運動をしている人に発生する膝の後十字靭帯損傷(こうじゅうじじんたいそんしょう)について紹介していきます。
膝の前十字靭帯損傷は聞いたことがあるけれど、後十字靭帯は聞いたことがないという方は多いのではないでしょうか?
今回はその膝の後十字靭帯損傷について解説していきます。
膝の後十字靭帯とは何か?
膝の後十字靭帯とは、膝関節のなかで大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ すねの骨)を繋いでいる強力な靭帯です。
前十字靭帯の後方で交差している靭帯が後十字靭帯です。
後十字靭帯は前十字靭帯に比べて約2倍の太さと強度があり、脛骨が後方へずれないように安定させています。
前十字靭帯と同様に、後十字靭帯は捻った方向に対して動き過ぎないようにする制御(回旋方向への安定性)があります。
つまり、膝の後十字靭帯を損傷すると膝は前後方向と回旋方向の安定性が不安定になるという事です。
膝の後十字靭帯損傷の原因
膝の後十字靭帯は、大腿骨に対して脛骨が後方に押し込まれる力によって靭帯が損傷します。
交通事故、コンタクトスポーツ、日常での転倒が挙げられます。
交通事故では、ダッシュボード損傷とも言われ、車が急に停車しダッシュボードに膝(脛骨の上方)をぶつけることによって起こります。
コンタクトスポーツでは、ラグビーやアメリカンフットボールに多く、膝下にタックルを受けることで後十字靭帯が損傷します。
日常での転倒では、膝を90°曲げた状態で転倒すると脛骨が後方に押し込まれるため、後十字靭帯損傷が起こります。
完全に断裂を起こすことは少なく、症状も前十字靭帯損傷に比べ軽度のため、しばしば放置されることもあります。
膝の後十字靭帯損傷の症状
膝の後十字靭帯損傷の症状では、急性期では膝の周囲に痛みや膝裏を押されての痛みが伴います。
時間の経過とともに痛みは軽減してきますが炎症が起こるため膝周囲の腫れがみられます。
また痛みがあるため、膝が動かしにくくなります。
炎症が治まると膝の可動域は改善してきますが、膝の不安定性が残ることが多いです。
放置した場合や損傷の仕方によっても膝に不安定性が残ることがあります。
日常生活やスポーツに支障のある場合は手術によって靭帯の再建が行われます。
交通事故や転倒による後十字靭帯損傷は脛骨の上端部などに皮膚の損傷が認められます。
症状が慢性化してくると、体重をかけた際に膝がガクッと力が抜けるような膝崩れ現象が起こります。
ダッシュ時やジャンプの着地時、階段の上り下りに起こることが多いです。
膝の後十字靭帯損傷の検査・診断
後十字靭帯損傷をしてから少し経つと、痛みと腫れが軽減するため医療機関への受診が遅れてしまう場合があります。
膝の後十字靭帯の正常な緊張がなくなると、関節の安定性がなくなり、膝が容易にガクッと外れるような現象が起きます。(膝崩れ現象)
このような膝崩れをそのまま放置してしまった場合、膝の半月板や軟骨を損傷するリスクが高くなってしまいます。
そのためにも早期の医療機関への受診をおすすめします。
後十字靭帯損傷ではまずは徒手検査で膝の関節の後方への動揺性を確認します。
その後、画像で後十字靭帯の損傷度合いを確認します。
レントゲン検査は骨折の有無の確認に有用ですが、後十字靭帯は写らないためわかりません。
ただし骨折を伴っていないか確認が必要です。
またMRI検査により、後十字靭帯の損傷度合いを確認することが必要になります。
膝の後十字靭帯のみならず、他の靭帯損傷、半月板、骨の損傷なども把握できます。
膝の後十字靭帯損傷の治療
膝の後十字靭帯損傷の治療は、損傷の程度や生活状況によって異なります。
ただ手術療法が必要となることは少なく、自然に治っていく場合が多いです。
そのため、後十字靭帯損傷では保存療法を行うことがほとんどです。
これは後十字靭帯が前十字靭帯に比べ、太いことと血流の良い場所に靭帯があり修復が行われやすいためと言われています。
まず、包帯での圧迫やサポーターを装着し痛みや腫れを抑えます。
早い段階から膝への負担を考慮しつつ、膝の曲げ伸ばし訓練や、太ももの筋力訓練を行います。
脛骨の後方へのずれを防ぐには大腿四頭筋(だいたいしとうきん ももの前側の筋肉)を強化することがとても重要です。
筋力が戻り、スポーツへ復帰できるようになるまで約3カ月程度かかります。
しかしながら断裂した場所によって自然に治ることが困難な場合もあるため、その場合は手術を行います。
膝の不安定性が強い場合や、他の靭帯や組織を複合して損傷している場合も同様に手術を行います。
他の部位の腱を使用した再建術となり、スポーツ復帰に約1年かかります。
まとめ
いかがでしたか?
膝の後十字靭帯の損傷は前十字靭帯の損傷に比べ、軽度なため前十字靭帯損傷より復帰は早くなります。
ただ膝の不安定性が残ったまま放置してしまうと治りが遅くなってしまうため、慎重に治療に専念することが大切です。
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