山城 宏統
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今回の記事では、大腿部の筋肉に多く発生するケガのももかんについて紹介していきます。
世間一般では、ももかんという言葉を聞いたことのある方も多いかと思います。
医学的に言えば、大腿部打撲や大腿部筋挫傷と言われています。
要するに大腿部の筋肉損傷なのですが、多くの場合はももの前側の筋肉、大腿四頭筋という筋肉に発生します。
今回はももかん(打撲)を起こす大腿部の筋肉、大腿四頭筋に注目して解説していきます。
大腿部打撲の原因
大腿部打撲の原因は非常に明確です。
単純に思いっきり何かが大腿部の筋肉にぶつかったときに発生するのが打撲です。
例としては、サッカーやラグビーなどのコンタクトスポーツ時に相手の膝が大腿部に入った。
野球でデッドボールを大腿部に受けた。
などが大腿部打撲の主な例として挙げられます。
大腿部打撲で痛めるのは、大腿四頭筋がとても多いです。
大腿四頭筋は
・大腿直筋(だいたいちょっきん)
・内側広筋(ないそくこうきん)
・外側広筋(がいそくこうきん)
・中間広筋(ちゅうかんこうきん)
という筋肉により構成されています。
一番表面にある大腿直筋がケガを起こしていると思われていることが多いです。
しかし、実際打撲したときに痛めた筋肉は、中間広筋、外側広筋が多いと言われています。
なぜなら、ぶつかったときに骨との間に挟まれてしまうのがその筋肉だからというわけです。
また中間広筋と外側広筋の位置が、相手と接触したときにぶつかりやすいという点もあります。
受傷した直後は、足を伸ばしてうずくまっていることが多いです。
曲げると打撲した大腿部の筋肉が伸長されて痛みが出るためです。
大腿部打撲の症状
大腿部打撲の症状としては、痛み、腫れ、機能障害が挙げられます。
大腿部打撲した筋肉を触ると痛みがあるのはもちろんですが、負傷した筋肉に力を入れると痛みが増強します。
負傷した筋肉にストレッチをかけても痛みが増強します。
そのため、うまく歩けない、膝を曲げられないといった動きの問題が起こります。
また、その筋肉が傷つき内出血が発生します。
打撲した筋肉の付近は腫れて、ときには青あざを作ります。
(打撲してすぐではなく、数日たってから出てくることも多いです)
重症度はこれらを総合的に判断しますが、膝をどれだけ曲げられるかによって判断します。
軽度である場合は、膝を90°以上曲げることができます。
しかし中等度であれば45°~90°、重度であれば45°以下に曲がる角度が制限されてしまいます。
大腿部打撲の初期治療
大腿部打撲をはじめ、ケガの際の基本はRICE処置を行います。
RICE処置とは、R:安静(Rest)、I:アイシング(Icing)、C:圧迫(Compression)、E:挙上(Elevation)のことを言います。
打撲した筋肉は、腫れが起き、内出血や炎症が起こります。
そのため初期治療では内出血や炎症をいち早く抑えることで打撲した筋肉の治りを早めていきます。
また、大腿部打撲の初期治療では他のケガではしないあることを行います。
それは、打撲した筋肉をストレッチすることです。
打撲した筋肉を伸ばすなんていかにも痛そうですが、なぜ筋肉を伸ばすのか?
それには2つ理由があります。
1つ目は、筋肉の柔軟性が失われてしまうためです。
大腿部打撲では筋肉がつぶされてしまい、治ったときに筋肉が硬くなりやすく柔軟性が失われてしまいます。
一度そうなってしまってからでは、元に戻すのがとても大変です。
なので、そうなる前に早期に大腿部の筋肉を伸ばしておこうというわけです。
2つ目は、打撲した筋肉への圧迫です。
膝を曲げて打撲したところ(大腿部の前面)を伸ばすことで、出血部に圧迫が加わります。
そうすることで出血が抑制されます。止血のときと同じ原理です。
ただし打撲した筋肉を悪化させてはかえって逆効果になるため、様子をみながら行います。
以上のように、大腿部打撲では特に内出血、炎症を抑えることに重点を置きます。
これは合併症でもある骨化性筋炎の予防にもなります。
骨化性筋炎とは、発生した内出血から血腫(血の塊)が形成されます。
カルシウムがそこに集まり、筋肉の中に骨のようなものができてしまうものです。
この発症はまれですが、かかるととても厄介で復帰が大幅に遅れてしまいます。
その予防のためにも初期のRICE処置をしっかり行う必要があります。
大腿部打撲の治療法
RICE処置にはじまり、あとは症状軽減に応じて物理療法、手技療法、ストレッチ、運動療法と状態を見ながら行っていきます。
なんといっても、初期のRICE処置がとても重要なので初期処置がしっかりできていれば、徐々に軽快していきます。
大腿部打撲の復帰までの目安ですが、軽度では2週間以内です。
中等度では約3週間、重度では、1カ月以内が目安です。
膝を曲げる制限が強い場合は、MRI検査を行い大腿部の筋肉の損傷部位と程度を評価できます。
前述した骨化性筋炎を疑う場合は、単純レントゲン検査により判断します。
大腿部打撲の復帰条件は以下のことをクリアすることをおすすめします。
- 打撲した大腿部の筋肉の痛みや可動域の制限がない
- 大腿部の筋力や柔軟性が回復している(痛めてない方と比べて90%以上である)
- フィットネスの改善が十分である
以上のことがクリアできていれば復帰しても問題ないと言えるでしょう。
まとめ
いかかでしたか?
大腿部の打撲は無理をすれば動けたり、走れたりします。
しかし筋肉を痛めたまま継続して動いていると骨化性筋炎になる可能性もあります。
大腿部打撲をした際は適切な初期処置と無理をしないことを念頭に置くようにしましょう。
どうしていいかわからない場合は、ご相談でも大丈夫ですのでご連絡お待ちしております。
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