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山城 宏統
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首や肩にコリ、背中や腰の痛みがあったとき、整骨院でマッサージや矯正を受ける方はたくさんいます。
施術を受けて不調が解消されたら「治った」と思い通院を辞める…といったことを繰り返してはいませんか?
不調の根本には「猫背」があり、原因を解消しない限り痛みを繰り返すループから抜けられないかもしれません。
今回は本気で猫背改善をお考えの方へ、治療のポイントである原因と筋肉量アップの大切さをお伝えします。
猫背はリラックスできると勘違いしている?
正しい姿勢を意識して、胸をピンと張って立つと疲れると感じていませんか?
猫背は、体の力を抜いてリラックスできる姿勢と思われがちですが、実は猫背のほうが首の筋肉や背中の筋肉に大きな負担をかけています。
〇楽だと思っていた姿勢で身体に大きな負担
頭の重さは体重の10%とされています。
例えば、50キロの人は5キロもの重さを首だけで支えていることになります。
猫背になると頭が前に下がるので、その重さに耐えるため首の筋肉や肩の筋肉、背中まわりの筋肉はいつも緊張状態になります。
この状態が長く続くと、筋肉疲労を起こしてコリや痛みの原因となります。
正しい姿勢は、首が前に出ておらず、横から見ると体の中心にあります。
この正しい姿勢であれば、体の骨や筋肉すべてで重い頭を支えられます。
結果、コリや痛みの原因である筋肉疲労が軽減されるのです。
〇できないことを無理にやろうと思っても続きません
正しい姿勢をとると辛いと感じる人に、いくら「姿勢を正しく生活してください」と言ってもなかなか続きませんよね。
また、ついつい気を抜くと楽な姿勢と思っている猫背になってしまうので、治すことは難しいでしょう。
特に体の内側の筋肉が弱い傾向にある日本人は、外側の筋肉が頑張って体を支えようとします。
そのため筋肉は疲労し、慢性的なコリや痛みの原因となります。
〇正しい姿勢が楽だと思える身体に!
首や肩のコリ、腰の痛みなどを感じたら整形外科や整骨院など専門家にみてもらいましょう。
なぜ不調が起こっているのか、骨格や筋肉の状態から原因を究明することが大切です。
そして、現在出ている症状を抑える対処療法が終わったら解決ではありません。
症状の原因である姿勢を改善し、正しい姿勢が一番楽な状態だと思えるように筋肉トレーニングをおこないましょう。
まずは猫背の原因を究明しよう
猫背は、まるで猫のように背中が丸くなり、頭と肩が前方に突出した姿勢のことです。
正式名称は「脊柱後湾症(せきちゅうこうわんしょう)」です。
アジア人に最も多く見られ、日本人は特に多いと言われています。
これには日本人特有の猫背になりやすい生活の歴史が原因であると考えられています。
〇日本人の猫背は生活環境によるもの!?
大昔、日本人は農耕民族で、畑仕事をして生計を立ててきました。
前かがみの姿勢での作業が多かったことが原因で、比較的平たい体系で背中の筋肉やお尻の筋肉が弱い特徴があります。
また、最近では日常生活でパソコンやスマートフォンを使う機会がとても多くなっています。
長時間座ったまま前かがみの姿勢を続けていることも原因だと考えられます。
〇精神面の原因も…
猫背には、筋肉や骨格など体が原因のものだけでなく、精神面にも原因あると言われています。
内気な性格の方は下を向いている、背が高いことがコンプレックスである方は体を屈めてしまう傾向があります。
このような原因から姿勢が丸まくなる可能性もあるのです。
猫背による身体への悪影響とは?
猫背は見た目の姿勢が悪いというだけではありません。
姿勢が崩れたまま長年生活していると、本来身体が持つ筋肉量や機能の低下により、さまざまな悪影響を及ぼす恐れがあります。
〇猫背が原因で起こる身体の不調
たとえば、猫背の姿勢を続けていると胃や腸などの内臓を圧迫します。
内臓の動きを妨げるので、消化不良の原因とも考えられます。
また、血管を圧迫してしまうので血行不良の原因となります。
血行が悪いと体の老廃物がその部分に溜まってしまい、首や肩周辺のコリ、腰痛の原因となります。
〇猫背は太りやすい!?
猫背が原因で血管が圧迫されると、全身の血行不良を招くこともあります。
血行が悪くなり代謝機能が低下すれば、むくみや冷えを誘発します。
むくみや冷えは、太りやすい(痩せにくい)体質の原因の一つであると考えられています。
猫背を治すことで姿勢も良くなり、自然にダイエット効果も生まれることもありますよ。
猫背のタイプや特徴を知って正しい治療や筋肉トレーニング
猫背は原因によって3タイプに分かれています。
猫背のタイプによってアプローチも変わるため、まずは自分の猫背の原因を知ることがとても重要です。
〇本来の背中とは…
人間には体をしっかりと支えるために、中心部分がさまざまな種類の骨で形成されています。
首部分の頸椎(けいつい)、胸部分の胸椎(きょうつい)、背中部分の腰椎(ようつい)、腰を支える骨盤が緩やかなS字カーブを描いています。
この本来の形や位置にズレが生じることが原因で、さまざまな弊害が起こるのです。
〇首猫背
首を前に出す姿勢を長く続けることや首周りの血行が悪いことが原因で、首が前方に倒れた状態を首猫背と言います。
重い頭を支える重要な部分に歪みが生じると、首の筋肉に負担がかかるので肩こりや頭痛、慢性的な疲労感の原因となります。
また、あご周りの筋肉が衰え、2重あごになりやすいとも言われています。
〇背中猫背
胸椎が突出し、肩が内側に巻き込まれたように倒れ込みます。
この状態がもっとも多く見られる猫背です。
背中の部分から湾曲するため、胃や腸が圧迫されて胃腸障害の原因ともなります。
〇腰猫背
腰椎が突出し、背中が大きく倒れた状態で、ご年配者に多く見られる猫背です。
腰のあたりを圧迫して血行不良を起こし、冷えの原因になることもあります。
若い女性が起こしてしまった場合は、生理痛の悪化の原因となることも考えられます。
猫背は自分で治せるの?
猫背を治したい!と思ったとき、病院や整骨院を受診しなくても自身で努力すれば治るものなのでしょうか?
〇矯正グッズは肩こりの原因となる!?
最近では自宅で取り組む治療として、猫背矯正ベルトなどが売られています。
ベルトを付けていると背筋がピンと伸びた感じがして、一見とても効果があるように感じます。
しかし、ベルトを24時間着けておくことは不可能なため、外してしまえば元の姿勢に戻ってしまいます。
また、装着することへのストレスが原因で長続きしないケースも多いようです。
さらには、ベルトにより肩回りの筋肉が動かしづらくなるため、逆に肩こりの原因になる可能性もあります。
〇筋肉トレーニングが猫背改善になるのか?
筋肉量の低下が原因で猫背になると考え、筋肉を付けるために筋肉トレーニングをする方もいるでしょう。
もちろん、体を支えるために筋肉は必要ですが、肝心(かんじん)なのは「筋肉と骨格のバランス」です。
重いバーベルを腕の筋肉だけで上げようとして上がらなくても、腰を入れて頭の上に抱えるようにすると持ち上がります。
このように、筋肉の力だけでなく骨格も整っていること、速筋と遅筋のバランスが良い体をつくることが大切なのです。
まとめ
長岐に渡り生活習慣として続けてしまった姿勢によって、本来体を支えるべき筋肉が弱くなってしまいます。
そして、猫背に移行した場合、自分の心掛けだけではなかなか改善が難しいことはお話ししましたね。
猫背を本気で治すなら「矯正+筋肉トレーニング」が必要です。
猫背という根本の原因を改善しなければ、身体の不調も改善されない可能性もあります。
治ったと思っていても、生活環境を変えなければ再発を繰り返すことも多々見られます。
治すためには、専門家の知識をもって原因を追究することが必須です。
さらには、矯正した姿勢を維持するために必要な個々の筋肉に合わせた「筋肉量アップ法」を受けることもお勧めします。
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